SPECIAL 「IDM AWARD2026 み_る」
優秀賞を受賞しました

「IDM AWARD2026 み_る」優秀賞を受賞しました

「IDM AWARD2026 み_る」
優秀賞とは

IDMアワード(IDM AWARD)は、日本のインテリア・空間デザイン分野で活動する団体横断組織 IDM(Interior Design Meeting) が主催するデザイン表彰です。
主に店舗総合見本市 「JAPAN SHOP」 の会期中、IDMブース(特別展示)で発表・表彰されます。

主催:IDM(Interior Design Meeting)

目的:インテリア/空間デザインの価値を社会に発信し、素材・技術・思想の優れた取り組みを評価・顕彰すること。

特徴:インテリア関連の複数団体が連携して運営する点、中小企業や職人技、素材開発などに光を当てる点が特徴です。

Demoldブースと展示内容

「光が差し込むたび、アルミは森になる。」

細く伸びる無数の輝きは、
風を受ける木々のように静かに揺らぎ、硬質でありながら、どこかやわらかな気配を宿す。

ここでは、素材はただ在るのではなく、巡っている。
生まれ変わり、かたちを変え、また光を受けて息づく。
その姿は、絶えず更新される森の時間そのもの。

人が歩けば、光は応え、景色は移ろう。
アルミは主役となり、同時に背景となって、空間と記憶をそっとつなぐ。

「あるみのもり」は、触れられる未来の断片。
循環する命のように、静かに、確かに、輝き続ける。

「あるみのもり」ブース展示風景

本ブースは、アルミニウムという素材の本質的な価値を、空間体験として可視化することを目的に設計しました。
私たちはその循環性に着目し、持続的に再生し続ける「森」の構造や時間性を参照しながら、「あるみのもり」というコンセプトを導き出しています。

構成要素である縦方向のパネルは、樹木のように林立させることで、来場者が内部を歩きながら奥行きとリズムを感じ取れる空間としました。
同時に、アルミ特有の軽量かつ硬質な特性を活かし、最小限の構成でありながら自立的で躍動感のある場を形成しています。

表層には光を多方向に反射する加工を施し、時間や視点の変化に応じて表情が移ろう設計としました。
これにより、単なる視覚的な展示にとどまらず、人の動きや環境光を取り込みながら、五感的に体験されるインスタレーションへと昇華しています。

「あるみのもり」カットサンプルパネル
持ち帰り用カットサンプルボックス
カットサンプルボックス一覧

「あるみのもり」は、木立ち各々が多様なテクスチャーのカットサンプルパネルを纏い、素材の表情そのものを体験として提示しています。
これらのカットサンプルが剥がされるたびに、その下に隠れている木目の突板が徐々に露出し、有機的な“森”へと還っていきます。

このプロセスは、テクスチャーの変化とともに素材の循環性を可視化するものであり、アルミが再び自然へと還っていくイメージを来場者と共有する試みでもあります。
また、剥がされたカットサンプルは持ち帰ることができるよう、専用の小さな箱を設えました。

「あるみのもり」詳細

「あるみのもり」展示風景

使用技術:自在成形
材質:鏡面アルミ
表面処理:アルマイト
板厚:0.5mm
デザイン:ZA DESIGN Inc.

展示に込めたDemoldの思い

これまでの展示はサンプルを並べるだけの素っ気ないスタイルでしたが、今回は趣向を変えました。
Demoldの自在成形技術によって、積み上げてきたバリエーション豊かなサンプル。その多様な個性を活かすため、今回は「森」を体現した空間デザインを構築し、展示コンセプトを明確に打ち出しました。

大切に育ててきた技術という「実」が結実し、それを来場者の方々が選んで摘み取っていく光景は、まさに収穫の喜びを分かち合っているような、心躍る体験でした。

金属という素材が持つ凛とした静謐さ。そのニュートラルな素材感を、森を体現した展示空間のなかで感じていただく。それによって、金属という素材をより身近に、手触り感のあるものとして受け取っていただけると考えています。

空間デザイナー座間望氏

展示コンセプトと
空間デザイナーの視点

IDM優秀賞|
空間デザイナー座間氏インタビュー

本インタビューでは、空間デザイナーの視点から、Demoldの素材がどのように捉えられ、
空間の中でどのように機能していたのかをうかがっています。

五感で「みる」ための空間

IDMのテーマであった「みる」を起点に、Demoldという素材を体全体で感じる体験として伝えたいと考えました。

表面的な印象だけでなく、アルミ素材の見えない力や循環性、自然から着想を得たテクスチャーなど、Demoldが持つ本質的な要素を「みる」ことが必要だと思ったんです。

軽さや加工性といった特性も含めて、たくさんの魅力をその場で感じてもらいたい。そのために、五感で「みる」という体験をテーマにしました。
展示会という場では、短時間で一方的な情報が多く、全て記憶することが難しい。だからこそ、その場に滞在して、体験として記憶に残る時間をつくりたいと考えました。

そこで、人が自然と足を踏み入れ、心地よく滞在できる空間とは何かを考えたとき、「森」とDemoldをかけ合わせるアイデアにたどり着きました。Demoldの素材の魅力と、人が心地よく過ごす体験を結びつける場として、「あるみのもり」を構想しました。

空間デザイナー座間望氏

空間の中で変わっていく
素材の表情

Demoldの素材は、無機質な素材だとは感じていません。
さまざまな質感や表情を持ちながら、環境の色や光を映り込ませて、その場に馴染んでいく。強く主張する素材ではないけれど、そこにあることで空気が変わる。

光やゆらぎが素材を通して周囲に広がっていくような感覚があります。
自分自身が映り込んだり、自然が映り込んだり、そうした要素と組み合わさることで、予測しない風景が生まれる。そこが一番の魅力だと感じています。

だから、無機質なものと有機的なものを対比させようという意図ではなく、もともと環境と馴染み合う素材だと捉えています。

時間とともに変化していく空間

展示では、毎日風景が変わっていくことを意図していました。
自然というのは、常に変化しているものです。一方で展示会は、整えられた状態を維持することが前提になりがちですが、それは日常の感覚とは少し違うと感じていました。

人が関わることで変化が生まれ、その瞬間の風景はその時だけのものになる。その時間軸を含めた体験が、記憶に残るものになると考えています。

また、Demoldの素材には、長い年月の蓄積や痕跡、光によって移ろう表情など、「時間」を切り取った瞬間のような美しさを感じています。過去から積み重なった時間と、今この瞬間に流れている時間。その両方を感じられることも、この展示におけるもう一つのテーマでもあります。

素材は、人が触れて初めて意味を持つものです。人と物の関係があって初めて空間が成立する。その関係性を大事にしています。

整いすぎている状態よりも、少しずれやゆらぎがあるほうが自然に感じられる。その変化も含めて、空間として成立していると考えています。

空間デザイナー座間望氏

体験として残る展示のあり方

展示会という形式そのものにも課題を感じていました。
短期間の展示のために作られたものが、その後すべて廃棄されてしまう。その構造に違和感がありました。
一方で、展示には多くの人が訪れます。だからこそ、つくり込みたいという気持ちもある。その両方を成立させたいと思いました。

そこで、展示物を持ち帰れる形にすることで、廃棄を減らしつつ、体験としても記憶に残る仕組みをつくろうと考えました。
日常の中でふと目に入る場所に素材があれば、それがきっかけになって思い出される。そういう形で循環していくことに意味があると感じています。

素材から発想が広がることも多く、サンプルが身近にあることで空間のアイデアが生まれることもあります。

併走する素材パートナーとしての
Demold

Demoldは、単に素材を提供する存在ではなく、設計段階から関わり、空間づくりに伴走するパートナーのような存在です。

やりたいことを伝えたときに、「できる・できない」ではなく、一緒に考えながら形にしていく感覚があります。併走してくれるというか、一緒につくっている感覚があります。

素材そのものが強く主張するわけではないけれど、空間に入ることで奥行きが生まれたり、映り込みによって見え方が変わったりする。
存在感は控えめでも、空間全体に影響を与える。そういう、少し不思議な魅力を持った素材だと感じています。

「こういう使い方をしてください」という決まった答えがあるわけではなく、用途が限定されていない。

だからこそ、空間の中でさまざまな可能性を持った素材だと感じています。

空間デザイナー座間望氏

新しい選択肢としての素材

金属素材は、興味はあっても扱いに知識を伴うと感じられていることが多いと思います。
今回の展示では、そうした心理的なハードルを少し下げることも意識していました。
気軽に触れて、持ち帰って、色んな角度から見ながら、自分の中でどう使えるかを考えてもらう。そのきっかけになるような体験が提供できたのではないかと思っています。

これまで金属を使ってこなかった人にとっても、新しい選択肢として認識される可能性がある。
素材そのものが持っている力や魅力が、この展示を通して可視化されたのではないかと感じています。

素材として評価されたということ

素材としての魅力を、空間体験として引き出すことができたという点はあったと思います。
ただそれ以上に、素材そのものが持つ力が大きかったとも感じています。
近づいてみたくなるような性質や、触れてみたくなる感覚。そうした力がある素材であることが、今回改めて浮かび上がったのではないかと思います。

空間デザイナー座間望氏
ZA DESIGN Inc. 座間望氏

ZA DESIGN Inc.について

ZA DESIGN Inc.は、2018年に設立された空間デザインオフィスです。
本当の豊かさとは、を問い、新たな「時間」を提供することが、ZA DESIGN の仕事です。

代表者:代表取締役社長 座間望
事業概要:飲食店・物販店などの商業施設/
ホテル・ウェディング施設等/
マンション共⽤部・住宅リノベーションなどの内装デザイン設計

ZA DESIGN Inc. 代表取締役社長/
インテリアデザイナー
座間望氏プロフィール

武蔵野美術大学造形学部
空間演出デザイン学科卒業
橋本夕紀夫デザインスタジオで、国内外の飲食店・ホテル・結婚式場・医療施設などの店舗設計担当をし14年間の勤務を経て、2018年にザ・デザイン株式会社設立

iF DESIGN AWARD 2025 受賞
日本空間デザイン賞2024受賞

この受賞が示す、
Demoldのこれから

Demoldの技術を広く知っていただく機会として、このような評価を賜り、大変光栄に思います。
これからも進化を止めることなく、お客様と共にアイデアや想いをかたちにし、Demoldならではの提案力と技術力を通じて、新しい価値を創出していきます。
受賞をきっかけに展開する可能性を大切にしながら、より高い品質と独自性を追求し、社会や市場に新たなインパクトを届けていきたいと考えています。

IDM AWARD2026 表彰式の様子